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冬眠中のナマズが釣れない理由【科学的根拠】

投稿者 : 加藤展幸 on

冬眠中のナマズは”基本的に釣れない”

一部のアングラーが「ワームやリアクション系ルアーなら冬眠中のナマズも釣れる」と言っているが、これはほぼ間違いなく誤情報だ。

ここで言う”冬眠中のナマズ”とは、寒さで完全に動かなくなった個体の事。それら個体は寒さで活動が極端に抑えられている状態だ。

一般的には”仮死状態”や”休眠状態”、”低代謝状態”などと呼ばれるが、要は”急には動けない状態”になっているのだ。

つまり、どれだけ釣れるルアーや釣り方を使っても『動けない魚は食いつくことが極めて困難』なので、『基本的に釣れない』のだ。

冬眠中のナマズが釣れたと思ったのは”恐らく誤解”

一部のアングラーが言っている「ワームやリアクション系ルアーなら冬眠中のナマズも釣れる」と主張している件に関しては、動かなくなっているように見えるだけで、実はまだ完全には停止していない個体が食いついただけ、と考えると説明がつく。

それを「冬眠中のナマズが釣れた」と誤解しただけであろうと思われる。

”動けない状態”である証拠【科学的根拠】

マニアックな人のために、もう少し掘り下げよう。

それら”冬眠中のナマズ”と呼ばれる個体たちが動けない状態である事は、動物行動学的にも証明できる。なぜなら、それら個体はルアーを接触させても全く身動きを取らない事もあるからだ。

ルアーが接触しても防衛本能的行動をとらない

筆者は実験として、寒さで完全に停止しているナマズに対して、様々なかたちでルアーを接触させてみたことがある。もちろん、ぶつけるといった暴力的手法は無し。

しかし、動かない個体は本当に動かない。ルアーを頭に乗っけてみても、体を撫でてみても、ピクリとも動かなった。

動物はこのような不快とも呼べる外部刺激を受けると、防衛本能などが働いて逃げるのが普通である。その証拠に、寒さで停止するような事がない他の季節のナマズは、このような外部刺激を受けると逃げてしまう。

つまり、不快な外部刺激に対して逃避行動をとらない≒防衛本能的行動すら抑制されている事自体が、冬眠中のナマズたちが”動けない状態にある”ということの証明になるのだ。

冬でもナマズは釣れる

だからといって冬はナマズが釣れないわけではない。寒さで停止していなければ、爆釣状態になることもある。冬のナマズの釣り方については、詳しくは別記事を参照してほしい。

関連記事『冬のナマズ釣りのコツは?失敗しないための条件7つ【徹底解説】』

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<著者>

加藤 展幸

釣りを科学するルアーブランド「ライゼンバイト」運営統括責任者/ルアーデザイナー

様々な科学的知識を基に釣魚を研究し、先進的なルアー製品の開発を行っている。主な開発実績は、世界初の水面を自在に飛び跳ねさせられるトップウォータープラグ。世界初の鯉専用ルアー。世界初のナマズの捕食メカニズムに最適化されたルアーなど他多数。

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