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釣果的な観点で言えばルアーの目は必要ない
結論から言えば、ルアーの目が必要かどうかで言えば、必要はないだろう。釣果に影響を与える可能性も低い。
というのも、ソフトルアーには今も昔も魚が認識できるほどのはっきりした目がついていないものが非常に多いが、過去からの統計から見ても、あきらかに目があるものが大半のプラグ類より、ソフトルアーの方が釣果をあげている。ルアーフィッシング界を見ていれば、これは間違いないだろう。
ソフトルアーだけではない。ラバージグや、バズベイト、スピナーやスプーンなど、目が無くても釣れているルアーはいくらでもある。釣果的な観点から見れば、ルアーの目は必要なものというわけではないだろう。
ルアーに目があるのは「その方が売れるから」
ではなぜ、プラグ類を中心に目があるルアーが大半を占めるようになったか。まず第一の理由として、「買い手の心理」がある。
目がついているルアーの方が、生物感があるからか、または愛着を感じやすいからなのか、実在の生物に似ているか否かに関係なく、目がついているものの方が売れやすい傾向にあるからだ。(ライゼンバイト調べ)
それもペイントで描かれた簡易的な目より、しっかりと凹凸があるリアル寄りの目を持つものの方が売れる傾向にある。この買い手の心理が現在の市場を作り上げている一つの要因となっている事は、ほぼ間違いないだろう。
「魚は獲物の目を狙う説」が影響したかもしれないルアーの目
ルアーの目が重要視された別の理由としては、一部で言われていた「魚は獲物の目を狙う」という説も少なからず関係している可能性がある。
この説はバスブームが起きた90年代頃まではよく囁かれたもの。一部のメーカーやルアービルダーが、この噂を信じてルアーの目を重要視するようになった可能性もなくはないだろう。
しかしながら、この説は恐らくデマである。なぜならバスをはじめとした多くのルアー対象魚は獲物を丸飲みするため、わざわざ目を狙う必要などない。
例え噛みつくように捕食するタイプの魚でも、より確実に捕食するため、獲物の体の中心を狙うのが普通である。
肉食魚が獲物のサイドへと回り込んで捕食する事があるため、その様子を見て獲物の目を狙っているように見えたのかもしれないが、それで獲物の目を狙っていると思うのは、いささか早計だろう。
少し脱線したが、ルアーの目が重要視された背景には、こういった俗説が関わった可能性もある。
釣果重視ならルアーの目は必要ない
改めて言っておくと、釣果を重視するだけならルアーに目は必要ない。これはライゼンバイトの研究からも十分判明している。
そもそも論として、ルアーは形が機能をつくるものであるため、余計な装飾はルアーの機能を阻害するだけだ。だからこそライゼンバイトのルアーには目らしい目がない。釣果を最優先するならば、むしろ目は邪魔なのだ。
もちろん釣果優先ではなく、人間から見た場合の見た目を重視した作品はあって良いものだ。ただ、ルアーの本質である「魚を釣るための道具」に重きを置いた場合、ルアーに目は必要ないと言えるだろう。