1.チャビングとはコイ科の雑魚を狙った釣りのこと
近年、鯉のルアーフィッシング等と同様に、急速に注目が集まりつつあるチャビング。まずチャビングとは何かを説明しよう。
チャビングとは、簡潔に言うと「カワムツやオイカワ、ウグイの仲間などといった、コイ科の雑魚をルアーで狙う釣りのこと」。(英語の"チャブ=chub"はコイ科の仲間の意)
日本国内では、主にルアーを使ってそれらの魚を釣ることを言うが、国外ではフライフィッシングや餌釣りなどでも行われている。
2.チャビングの語源(デマ情報に注意)
チャビングという用語について、『チャビング(Chubbing)という言葉は、カワムツ(Dark chub) やオイカワ(Pale chub)などの英名の共通点であるChubをとって、ingをつけた日本で生まれた造語』『カワムツ釣査隊がつくった新しい造語』などと解説しているブログや動画があるが、これは間違った情報。
チャビングという言葉は、日本で使われ始めるよりずっと以前から海外で使われてきており、語源は海外で人気の釣魚であるChub(正式にはEuropean chub)の名にingをつけたもの。(Winter Chub Fishing On Small Rivers - AnglersNET 2009) (Digital Diary: Chubbing at last - fishing magic 2003他参照)
※詳しくは、チャビングのデマ情報に注意!を参照。
従ってチャビングという言葉は、カワムツ釣査隊がつくった新しい言葉でもなければ、日本で生まれた新しい造語でもない。中には間違った情報と知りながら嘘を広めようとする悪い人間もいるため、デマ情報には十分注意しよう。
3.カワムツやオイカワ等のルアー釣り自体は新しい釣りではない
一部のブログなどで、カワムツやオイカワのルアー釣りを新しい釣りと言われている事があるが、それも誤りだ。カワムツやオイカワ等のルアー釣り自体は決して新しい釣りではない。
90年代の釣魚図鑑でもカワムツについてルアーで釣れる事が明記されているし(豊田直之ほか 1999 釣り魚カラー図鑑 p26)、現に筆者や周りの知人たちは20年以上前からカワムツやオイカワをルアーで狙って釣ってきている。
また、チャビングという言葉が日本で一般的に使われ始めた2021年より以前から、筆者たち以外にもカワムツ等をルアーで釣って楽しんでいる人たちが存在してきた事は、ネット上のブログ等からも伺える。
つまりは、あくまでチャビングという釣り用語が多くの日本人にとって新しいものというだけであり、カワムツ・オイカワなどを狙ったルアー釣り自体は新しいものではないということだ。
4.チャビングのルール:遊漁券購入の要不要を必ず確認して釣りをしよう
やっとこさ実釣についてだが、まずルールとして遊漁券購入が必要かどうかを必ず確認して釣りをすること。
カワムツやオイカワが釣れる場所は、ほとんどの場合が河川となる。日本の河川の多くは漁協組合が管理しており、漁協組合が管理する河川で釣りをする場合は遊漁券を購入して携帯する必要がある。
万が一、遊漁券を購入・携帯せずに釣りをした場合、密猟者として通報され、最悪の場合、逮捕される場合もある。
なお、遊漁券に関する情報は、「"目的の河川名" 遊漁券」といった検索ワードなどでネット検索をかけると見つかる事が多いので、一度検索してみると良いだろう。
5.カワムツ・ヌマムツの釣り方
カワムツ・ヌマムツが釣れる場所
カワムツ、ヌマムツが釣れる場所は、ほとんどの場合が河川になる。カワムツは水質が綺麗な場所でないとあまり生息していないため、河川の上流・中流にある渓流部を攻めてみよう。
ヌマムツはカワムツより下流域に生息している事が多く、地域によっては湖沼にも生息していることがある。カワムツと混在していることも多いため、ヌマムツだけを狙って釣るという事はなかなか出来ないかもしれないが、ヌマムツを釣りたい場合は、川の中流域や下流域を探ってみると良いかもしれない。
おすすめのタックル
カワムツ・ヌマムツを釣る上で、まず必要なタックルについてだが、非常に軽量なルアーを扱う事になるので、不慣れな人ほど最初はスピニングタックルを強くおすすめする。
ロッドはバスやトラウト、アジング用のウルトラライトアクションのもので十分だ。渓流での釣りになる事が多いので、長さは6フィート未満のものを使おう。
リールは深くこだわる必要はないが、タックルバランスなどから考えても2000番以下のものを選ぶのが無難だろう。
ラインに関しては、3ポンドのナイロンラインで十分だ。軽量なルアーを扱うため、8ポンド以上の太いラインだと飛距離が極端に落ちてくるので注意。また、硬い素材のラインは伸縮性に欠けるため、カワムツの繊細なバイトをはじきやすくなる可能性があるので、その点も注意だ。
おすすめのルアー
カワムツ・ヌマムツをルアーで釣る場合は、トラウト用などの一般的なマイクロスプーンでも簡単に釣ることができる。ただし、釣果にこだわりたい、たくさん釣りたいという方には、ライゼンバイトのチャビング用ルアー「チャビートラップ」がおすすめ。カワムツの魚影が薄い河川でも40ヒット以上を記録した激釣れルアーだ。
おすすめの釣り方
カワムツ・ヌマムツの釣り方はいたって簡単。前出したマイクロスプーンやチャビートラップをキャストしてただ巻きするだけで簡単に釣れる。ただし、マイクロスプーンにもいろいろあり、製品によって適切な巻きスピードは異なるため、スプーンがキビキビと動くギリギリのスピードを維持するのが基本だ。
チャビートラップを使う場合は、中速以上の速巻きが基本。また、チャビートラップでは、ルアーを水底で跳ねさせながら巻いてくるボトムバンピングも非常に有効なテクニックなので是非試してみて欲しい。
6.オイカワの釣り方
オイカワが釣れる場所
オイカワは、河川の中流域から下流域の、水深が50センチ未満で比較的流れの速い浅瀬に集まっている事が多く、オイカワ釣りもこういったポイントが中心となる。
特にオイカワの成魚は、水底の石に付着した藻類を主食の一つとしているため、前述の条件に加えて水底がうっすらと茶色の藻類で覆われているポイントであればオイカワがいる可能性はかなり高くなる。
ただし、寒い季節のオイカワは、浅瀬ではなく少し水深のある淵に集まっていることもあるため、初冬から早春頃のオイカワ釣りはポイント選びに注意が必要だ。
おすすめのタックル
オイカワ用タックルは、カワムツやヌマムツ用のタックルをそのまま流用することができる。つまり、バスやトラウト、アジング用のウルトラライトアクションのタックルで十分だ。
ただし、オイカワはカワムツよりも引きが弱いため、オイカワの引きを存分に楽しみたい場合は、なるべく柔らかめのタックルを選ぶと良いだろう。
おすすめのルアー
オイカワをルアーで狙う場合、おすすめのルアーは、前出した「チャビートラップ」だ。オイカワを釣る上では、現状、このチャビートラップが最強だろう。
チャビートラップは、世界初のオイカワ専用ルアーであり、オイカワの習性などに最適化されているため、とにかく簡単にオイカワを釣ることができる。
チャビートラップ以外にもマイクロスプーンやミノー、スピナー、マイクロジグなどでもオイカワが釣れることもあるが、オイカワは鯉などと同じく、地域によってルアーへの反応が著しく異なり、それら従来のルアー製品で安定して釣果を出すことが難しいこともある。
より確実にオイカワをルアーで釣りたい人は、チャビートラップを選んでおけば無難だろう。
おすすめの釣り方
オイカワをルアーで釣る場合、チャビートラップが最も地域差などに左右されづらく安定して釣れるため、チャビートラップを使うことを前提として説明させていただこう。
チャビートラップでオイカワを狙う場合、水面直下をファストリトリーブ(速巻き)するのが基本となる。オイカワは水面を高速移動する物体に反応する習性があるため、中高速以上の速度でただ巻きする方がよく釣れるというわけだ。
チャビートラップを使えばそれだけでオイカワは釣れる。ぜひ試してみよう。