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ルアーの歴史│ルアーの起源から歴史まで詳しく解説

Posted by 加藤展幸 on

ルアーの歴史は古く、フライをも含めるとその起源は紀元前にまで遡ると言われています。しかし、ルアーの歴史は知ろうと思ってもいくつもの文献を調べないと詳しく知る事が難しい状態にあり、しかもそのほとんどが英語の文献であるため日本人にとってはかなり敷居が高い。という事で、今回はルアーの起源から歴史について解説していきたいと思います。

なお、本稿ではフライもルアーの一種であるとしてフライも含めた記載となっております。また、本稿でご紹介する知識はライゼンバイト調べであるため、間違っている箇所などがございましたらご一報くださると助かります。

ルアーの起源

ルアーの起源は非常に古く、紀元前九世紀頃には既に日本で毛バリ釣りが行われていたであろう事例証拠があります。しかし、これは証拠能力としては弱い事例証拠に過ぎず、確認されている最古の記録は、二世紀頃にクラウディオス・アイリアノス( Claudius Aelianus 175-235年)が残した著書内におけるフライフィッシングに関する記述であり、その頃には既にフライが存在していた事を示しています。

およそ1700年頃には、ハードベイトの前身とも言えるルアーが存在していたと言われています。しかし市販製品ではなく、当時は個人や職人などによって作られていたようです。日本の疑似餌の出現も1700年前後で、その頃には既にイカ釣り用の餌木が存在していたと見られています。

ルアーの歴史

次はルアーの歴史を年代順にご紹介しましょう。

紀元前九世紀頃には既に日本で毛バリが使用されていたと思われる事例証拠が存在。

二世紀頃にはクラウディオス・アイリアノスがフライフィッシングに関する著書を残す。

1653年、アイザック・ウォルトン(Izaak Walton 1594-1683年)によって、フライに関する著述を含む著書”The Compleat Angler”(邦題:釣魚大全)が出版される。

1700年前後には、日本では餌木が、海外では現代ルアーの前身的ルアーが個人や職人たちの手によって作られ始める。

1800年代前半、フリオ・トンプソン・ビュエル(Julio Thompson Buel 1806-1886年)によって、現代ルアーの基盤とも言えるスプーンが発明され、1829年に市販製品として販売が開始される。

同時期、再びフリオ・トンプソン・ビュエルの手によって、オーバーヘッドアーム・スピナーベイト(日本で言うスピナーベイト)の基礎とも言えるスピナーが発明される。

1852年、フリオ・トンプソン・ビュエルが世界で初めてルアーによる特許を取得。

1874年、デヴィッド・ヒュアード(英語発音ではデイヴィッド・フワード David Huard)とチャールズ・ダンバー(Charles Dunbar)が、木製ルアーとしては世界初の特許を取得。

1890年代後半には、ジェームズ・ヘドン(James Heddon)によって、現代ルアーを代表するルアーの一種、プラグが発明される。

1906年には、クリーク・チャブ・ベイト社の創始者の一人で開発者でもあったヘンリー・ディルス(Henry Dills)によって、ミノーやクランクベイトの前身的ルアーである、ウィグラ―が開発される。

1915年、ウィリアム・J・ジャミソン(William.J.Jamison)によって、世界で初めてウィードガードを採用した、今日のオーバーヘッドアーム・スピナーベイトの前身的ルアーである、シャノン・ツイン・スピナーが発明される。

1920年、アラン・P・ジョーンズ(Alan.P.Jones)とアーバン・シュライナー(Urban Schreiner)の二人が、豚の背脂から世界で初めてポーク・フロッグ(ポークリンド)を作り出す。

1928年頃には、バイブレーション(リップレス・クランクベイト)の原点的ルアーであるピギー・パーチが、フレッド・ニコルズ(Fred Nichols)によって作られる。

1934年頃、フレッド・アーボガストが初めてジッターバグを作る。

1936年、ラウリ・ラパラ(Lauri Rapala)がコルクから現代ミノーの基礎となるルアーを削り出す。

1949年、ニック・クリームとコズマ・クリームが世界で初めてソフトプラスティックベイトを発明する。

1950年代、テキサス州の無名アングラーによって初めてテキサスリグが使われる。

1960年代中頃には、コットン・コーデル社から世界初のラトルサウンドを発するルアー、ホットスポットのラトルバージョンが発売。

1972年、ミスターツイスター社がカーリーテールグラブを開発。

1973年、カール・コーデル(Carl Cordell 1928-2015)が世界初のスクウェアビル・クランクベイトを発表。

1980年代中期、アラン・コール(Allan Cole)の手によって、スイムベイトが開発される。

1987年、ランカーシティー社のハーブ・リード(Herb Reed)がソフトプラスティックベイトの新ジャンル、ソフトスティックベイトを開発。

1988年 タックスハウスの二宮正樹が、世界初の重心移動システムを内蔵したルアーを開発。

1990年頃、バークレイ社が初めて匂いや味を持つソフトプラスティックベイト、パワーワームを発表。

2001年頃、Xルアー工房の田口祐二が世界初のI字系ルアー「Xスティック」を開発。

2006年、イヴァンダー・ロマンノ(現ライゼンバイト)の加藤展幸が、世界初の水面を飛び跳ねるトップウォータープラグを開発。

2010年 ライゼンバイトの加藤展幸が世界で初めて、関節構造を必要としない、ただ巻きで水中を高速蛇行するプラグを開発。

2011年 アンディー・ポス(Andy Poss)がキャスタブル・アンブレラリグ「アラバマリグ」をリリース。

2016年 ライゼンバイトの加藤展幸が、撒き餌などを必要とせず、地域による鯉の性格および食性の差などにも影響されにくい、世界初の鯉専用ルアー「リメット」を開発し、鯉をルアーフィッシングの対象魚化することに成功。

2024年 ライゼンバイトの加藤展幸が、地域によるオイカワの性質の違いなどに影響されにくい、世界初のオイカワ専用ルアー「チャビートラップ」を開発し、オイカワをルアーフィッシングの対象魚化することに成功。

現ルアー業界では、他者の功績を自身の功績であるかのうように振る舞う悪質な行いが横行しているため、ライゼンバイトの開発歴も含めて掲載しております。著名な方々と並べて掲載する事にためらいがございましたが、何卒ご容赦下さいますようお願い致します。

ルアーの歴史を詳細に知る事は難しい

さて、今回はルアーの歴史に触れてきましたがいかがでしたでしょうか。ただこれらルアーの歴史に関する説には諸説あることを予め覚えておいて頂ければと思います。

ルアーの歴史を詳細に記した文献は多くはなく、それら文献の中でも年代や説に食い違いがあったりします。断片的な情報が記述されている文献となると今度は数が膨大で信憑性に欠けるものも多い。故にルアーの歴史を探ろうにも情報の精査は困難を極めるわけです。

もちろん一朝一夕で仕上げられるような記事にはなっておらず、膨大な労力の上で調べ上げられた情報となってはいますが、それでも参考程度に留めておいて頂ければ幸いです。また間違いなどに気づいた方がいらっしゃいましたら、ライゼンバイトまでご一報ください。

参照

Claudius Aelianus - Wikipedia

Recreational fishing - Wikipedia

A brief history of baits - The fishing museum online

Fishing Lure |Background - Made how

薩摩烏賊餌木のルーツを探る - 釣りSense

Whitehall History: J.T. Buel -  Bloated Toe Enterprises

The Encyclodpedia of Old Fishing Lures: Made in North America p.189

The American Midwest: An Interpretive Encyclopedia p.1461

Mister Twister® History - Mister Twister 

Legend, Lore & Legacy - Texas Parks&Wildlife

The Worm - Bassmaster

Texas Rig Fishing - Bass Resource.com

The Original Buzzbait – Lunker Lure - BASS FISHING ARCHIVES

About The Alabama Rig - The Alabama Rig

The Lure - AC Plug Swimbait Campany

Carl Richey "Cotton" Cordell (1928–2015) - Encyclopedia of Arkansas

Field & Stream 2000年6月 p.55 p.57 p.58

Old Fishing Lures & Tackle: Identification and Value Guide p.524

世界初の鯉専用ルアー「リメット」

更新履歴

2022.2.17 特許情報を基に田口祐二氏によるI字系ルアー発明期を2001年頃に訂正。

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