今回のテーマは「蛍光塗料や紫外線を利用してフッキング率を上げる方法」。 野生動物が使う防衛方法を逆手にとったフッキング率アップ法をご紹介。
動物は派手なモノに目がいく
あるトカゲは、尾の部分のみが紫外線をよく反射するように進化し、天敵である鳥に急所を直接攻撃されないようにしていると言われています。また一部の花は、花粉を運ぶ蝶やハチなどに発見してもらい易いよう花びらで紫外線を反射し、花を目立たせている事が近年の研究で判明しています。
そして魚も同様に、ヒレや尾の先のみを明るく目立たせる事で、急所への攻撃を避けていると考えられている種が存在します。つまり動物は、種に関係なく派手なモノに注意を引かれてしまう傾向にあるという事。
この原理を応用すれば、ルアーのフッキング率もコントロールできると考えられます。
目立たせてバイトさせたい部分をコントロール
方法はカンタン。上記画像のように、魚にバイトさせたい部分にオレンジやピンク、黄色などの蛍光塗料を塗ります。または、アルミ箔やアルミテープなどを貼り付けます。
ルアーのターゲットとして有名な魚で、なおかつ紫外線が見えると言われる魚種にはバスやスズキ、トラウトなどがいますが、実は紫外線を見ることができると判明している魚種はそう多くはないので、確実に目立たせたい場合は、紫外線反射を狙ったアルミよりも蛍光塗料の方が良いでしょう。
これだけで理論上はフッキング率が向上する事になります。実際、これと同様の方法でフッキング率を上げる事に成功しているアングラーの方も出てきています。ただし、上記画像はあくまで例に過ぎません。より良い結果を得られる方法に関しては、狙う魚などによって変わってくると思われるので、いろいろと試行錯誤をしてみて下さい。
気を付けるべき点
気をつけるべき点として、蛍光塗料やアルミテープをつける面積が小さすぎれば魚の目にとまりにくくなり、逆に広すぎれば視線を一点に誘導する事が難しくなる可能性が高いので、ご注意ください。魚がしっかり視認できる"程良い大きさ"にするのが最善でしょう。
なお、このチューニングを施した際には、ウレタンやセルロースなどを使ったコーティングはお薦めできません。それらでコーティングしてしまうと光の反射率が変わってしまうため、効果が薄れてしまう可能性があります。色落ちなどを防ぐ方法としてお薦めなのは、蛍光塗料を使用する場合はウレタン系の蛍光塗料を使い、アルミテープを使用する場合は、耐水性のものを使う方法です。これであれば、一定期間の使用に耐えるチューニングが可能でしょう。
スレやすさには注意
ブルーギルを対象にしたライゼンバイトの実験では、ギルは最も興味を引かれる色(部位)を的確に狙って攻撃する事が分かってきています。自然界の魚たちも、実際に同様の方法で天敵の視線を誘導し身を守っているので、前述した方法でフッキング率を向上させる試みは、科学的な裏付けがあるとも言えるでしょう。
ただし、派手さはスレやすさに直結します。派手過ぎるルアーで釣り続ければ、魚はすぐにそのルアーに見飽きてしまい、また、一度釣った魚も同じルアーに対して強い警戒心を持つようになる可能性が非常に高いので、その点をよく理解して活用してみて下さい。