冬眠中のナマズは”基本的に釣れない”
一部のアングラーが「ワームやリアクション系ルアーなら冬眠中のナマズも釣れる」と言っているが、これはほぼ間違いなく誤情報だ。
ここで言う”冬眠中のナマズ”とは、寒さで完全に動かなくなった個体の事。それら個体は寒さで活動が極端に抑えられている状態だ。
一般的には”仮死状態”や”休眠状態”、”低代謝状態”などと呼ばれるが、要は”急には動けない状態”になっているのだ。
つまり、どれだけ釣れるルアーや釣り方を使っても『動けない魚は食いつくことが極めて困難』なので、『基本的に釣れない』のだ。
冬眠中のナマズが釣れたと思ったのは”恐らく誤解”
一部のアングラーが言っている「ワームやリアクション系ルアーなら冬眠中のナマズも釣れる」と主張している件に関しては、動かなくなっているように見えるだけで、実はまだ完全には停止していない個体が食いついただけ、と考えると説明がつく。
それを「冬眠中のナマズが釣れた」と誤解しただけであろうと思われる。
”動けない状態”である証拠【科学的根拠】
マニアックな人のために、もう少し掘り下げよう。
それら”冬眠中のナマズ”と呼ばれる個体たちが動けない状態である事は、動物行動学的にも証明できる。なぜなら、それら個体はルアーを接触させても全く身動きを取らない事もあるからだ。
ルアーが接触しても防衛本能的行動をとらない
筆者は実験として、寒さで完全に停止しているナマズに対して、様々なかたちでルアーを接触させてみたことがある。もちろん、ぶつけるといった暴力的手法は無し。
しかし、動かない個体は本当に動かない。ルアーを頭に乗っけてみても、体を撫でてみても、ピクリとも動かなった。
動物はこのような不快とも呼べる外部刺激を受けると、防衛本能などが働いて逃げるのが普通である。その証拠に、寒さで停止するような事がない他の季節のナマズは、このような外部刺激を受けると逃げてしまう。
つまり、不快な外部刺激に対して逃避行動をとらない≒防衛本能的行動すら抑制されている事自体が、冬眠中のナマズたちが”動けない状態にある”ということの証明になるのだ。
冬でもナマズは釣れる
だからといって冬はナマズが釣れないわけではない。寒さで停止していなければ、爆釣状態になることもある。冬のナマズの釣り方については、詳しくは別記事を参照してほしい。
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